NTsocial アプリケーションユーザー操作マニュアル
モジュール:プロフィール設定、地図システム、ATaK 戦術チャンネル — 救助現場要員、登山隊、人気登山ルート、カヌーチーム向けのオフライン協力操作ガイド。
1. プロフィール設定
1.1 概要
Profile(プロフィール)ページは、アプリ下部ナビゲーションの右端にあります。分散型メッシュネットワーク内でのデジタル身元のコントロールセンターとなり、ここで設定した情報は公開情報として周囲のノードに自動共有されます。公開する内容は自身で判断してください。
1.2 画面構成とアクセス
アプリ起動後、下部ナビゲーション右端の「People」アイコン(Profile)をタップします。画面は縦スクロールで、上から順に「アバター」「基本識別」「詳細情報」「ソーシャルリンク」「言語設定」「公開とロングレンジモードの切り替え」で構成されています。
1.3 身元識別とアバター管理
NTsocial は中央サーバーによるアカウント管理がないため、なりすまし防止のために全ユーザーへ固有のカラフルな QR 識別コードを自動生成します。同じニックネームを名乗れても、完全に同一の QR パターンは再現できません。さらに、識別性を高めるため、カスタムアバターを QR と並べて表示できます。
- 指紋識別 (Identity Fingerprint):各ユーザーに固有の暗号鍵を生成し、Identicon(幾何学的識別図)として色付き QR コードに変換します。
- カスタムアバター (Custom Avatar):
- 操作:「Change Avatar」ボタンをタップすると、Android のファイル選択画面が開き、端末内の写真を選べます。
- 処理:画像(image/*)を選択すると、指紋と関連付けて保存されます。画面には QR とアップロード画像が同時表示され、ファイルが見つからない場合は QR のみが表示されます。
1.4 プロフィール編集
ここで編集した情報はメッシュネットワーク全体に公開されます。各入力欄は IME アクション(ImeAction.Next)で素早く移動できます。公開したくない情報は記載しないでください。
1.4.1 コア識別
- ニックネーム:Public Feed と Private Chat で表示される主要名です。英語・中国語・日本語に対応します。
1.4.2 基本情報
- タグライン:短い状態説明の 1 行テキスト。
- 自己紹介:複数行入力に対応する詳細紹介欄(既定で 3 行表示)。
- 場所:地域や都市名を手動で入力できます。
1.4.3 ソーシャルリンク
他サービスのアカウント情報を入力して信頼性を補強できます。特定欄は専用キーボードに最適化されています。
- Web サイト:URI 用キーボードが開き、個人サイトや会社ページを入力できます。
- メール:Email 用キーボードが開きます。
- ソーシャル ID:GitHub、Twitter(X)、Instagram などの公開アカウントを記載できます。
1.5 システム設定
1.5.1 言語選択
NTsocial は英語・繁体字中国語・日本語を即時切り替えできます。ラジオボタンで選ぶとすぐに画面に反映されます。ヒント:People のオンライン一覧が遅れていると感じた場合、別言語に切り替えて戻すと即時更新されます。
- English (en)
- 繁體中文 (zh-TW)
- 日本語 (ja)
1.6 高度なネットワーク設定
1.6.1 ロングレンジモード (LE Coded PHY S=8)
画面最下部の Long Range トグル (S=8) は屋外活動で特に重要です。比較的新しい Bluetooth チップセットのみが完全対応します。1.2.6 以降は有効化すると周囲ノードの信号強度を自動判定し、弱いノードがあれば低速・長距離モードに切り替えます。これにより 100m を超える距離でも通信できるため、登山やサイクリングでは有効化を推奨します。全ノードの信号強度に余裕がある場合は、トグルがオンでも 2M の高速モードで通信し、最高速を維持します。
各ノードとの接続は独立しているため、弱いリンクのみが長距離モードになり、近距離のノードは 1M/2M の高速通信を維持します。屋外活動では特に推奨されます。
- 機能:低帯域・長距離向けの通信プロトコルで、開けた場所では通信距離を最大 4 倍程度に拡張できます。室内では障害物や強い Wi-Fi 干渉があるため、大きな改善が見られない場合があります。
- 状態表示:Bluetooth チップが対応している場合(supportsLongRange が true)、トグルを切り替え可能です。非対応の場合はスイッチがロックされ、「Long Range Unsupported(長距離モード非対応)」のメッセージが表示されます。
1.7 公開
プロフィール画面でもっとも重要な操作です。情報を入力・更新した後は必ず「Publish Profile」ボタンをタップし、他ノードへ配信してください。新しいノードが参加した際、最新情報を即時配信したい場合も手動で公開できます。
- 操作:画面下部の「Publish Profile」ボタンをタップします。
- 技術的動作:Write/Notify 機構でローカル DB に書き込み、NTsocial の同期プロトコルに従って近隣ノードへ自動配信します。
- 注意:メッシュ環境では、公開ボタンを押さない変更はメモリ上に留まり同期されません。編集後は必ず公開してください。
2. 概要
NTsocial は高度なオフライン地図エンジンと分散型戦術状況認識(ATaK)機能を統合しています。インターネット接続がない環境でも、メッシュネットワークを通じて隊員の軌跡追跡、リアルタイム位置の把握、地図マーキング(CoT-like マーカー)、地理情報の協調作業が可能です。
本モジュールは以下の 2 部構成です:
- オフライン地図管理システム:地図データ、テーマ、標高、軌跡の読み込みと設定。
- ATaK 戦術チャンネル操作:位置報告、戦術オブジェクトの配置、チャンネル管理。
3. オフライン地図管理システム
NTsocial は完全オフラインのレンダリング方式を採用し、Google Maps や他のオンラインサービスに依存しません。携帯通信がない場所でも利用できますが、地図データはユーザーが事前にインポートする必要があります。NTsocial はオープンソース地図コミュニティの主要形式(.map/.xml/.DEM/.GPX)をサポートします。台湾ではオープンソースプロジェクト「魯地図」(MOI.OSM - Taiwan TOPO)を推奨します。
3.1 地図画面に入る
- 初回利用時は、最新の地図データファイルをダウンロードしてください。.map/.xml/.DEM の 3 種類を取得します。
- Android 端末では通常 Download フォルダに保存されます。手動の解凍や移動は不要で、NTsocial が自動処理します。
- アプリ画面下部のメインメニューから「地図」をタップします。
- 初回で地図データが未インポートの場合、端末内にある地図ファイル(例:.map)を最低 1 つ選択するよう求められます。
地図データのインポート後、左側のサイドバーを開きます:左上のメニューボタン(≡)をタップするか、画面左端から右へスワイプします。地図管理、レイヤー制御、ATaK チャンネルの選択はすべてここで行います。
初回利用時は必ず「スタイルファイルをインポート」をタップし、スタイル一覧から「MOI_OSM_twmap.xml」を選択してください。
3.2 地図ファイルのインポートと切替 (.map)
- サイドバーを開き、「オフライン地図」セクションまでスクロールします。
- 地図が未インポート、または追加したい場合は「地図ファイルをインポート (.map/.zip)」をタップします。
- ファイル選択画面が開きます。端末内の .map ファイル(またはその .zip)を選択します。
- インポート後、一覧のファイル名をタップすると地図が有効になります。
注意: システムは最後に使用した地図を自動的に記憶します。
3.3 地図の視覚テーマ設定 (.xml)
- レンダリングテーマは地図の視覚スタイル(道路色、等高線表示など)を決定します。
- サイドバーの「レンダリングテーマ」セクションで「テーマをインポート (.xml/.zip)」をタップします。
- 画像やアイコンを含む .zip のインポートを推奨します。
- インポート後、適用したいテーマを選択します。「デフォルト」を選ぶと内蔵テーマが適用されます。
文字倍率: 地図上のラベルが小さい場合は、サイドバーの「文字倍率」で調整できます。小 (0.35x) から 特大 (0.85x) まで選択可能です。
3.4 デジタル標高モデル (DEM) と陰影
- システムは SRTM HGT 形式の標高データに対応し、地形陰影(Hillshading)を生成します。
- サイドバーの「標高データ (DEM)」セクションで「HGT をインポート (.hgt/.zip)」をタップします。
- 現在の地図エリアに対応する .hgt ファイルを選択します。
- インポート後、地図レンダリング時に自動で地形陰影が重ねられます。
3.5 軌跡管理 (GPX)
- サイドバーの「GPX 軌跡」セクションで「GPX をインポート」をタップします。
- インポート後、一覧のファイル名にチェックを入れると、軌跡(青い線)が地図に表示されます。
- 複数の GPX ファイルを同時に選択して重ね合わせ分析ができます。
3.6 基本的な地図操作
- ズーム: 2 本指のピンチ操作、または右上の + / - ボタンを使用します。
- リセンター: 右上の TW ボタンをタップすると、視点が既定の中心点(台湾)に戻ります。
- 移動: 1 本指で地図をドラッグします。
4. ATaK 戦術チャンネル操作
ATaK チャンネルは屋外チーム協力のための機能です。NTsocial では無制限に ATaK チャンネルを作成でき、地図上で複数チャンネルを同時に表示できるため、複数隊の地理情報を並行して管理できます。ATaK チャンネルには、メンバーのリアルタイム位置と地図オブジェクト情報の自動同期が備わっており、各メンバーは GPS 座標を自動送信し、現場の観察に基づいて地図オブジェクトを作成できます。
4.1 チャンネル有効化と可視化
- ユーザーが参加したチャンネルのうち「戦術チャンネル」に分類されたものは、地図左側サイドバー下部の「ATaK チャンネル」一覧に自動表示されます。
- 左側サイドバーを開き、下部までスクロールします。
- 表示/非表示: チャンネル名の左側チェックボックスで、地図に表示するメンバーとオブジェクトを切り替えます。
- 情報展開: チャンネル名の右側の矢印をタップすると、メンバー一覧(最終報告時間付き)と地図オブジェクト一覧が表示されます。
4.2 自分の位置報告 (PLI - Position Location Information)
- 戦術チャンネルに参加すると、システムはバックグラウンドで自動的に位置報告を行います。報告間隔はチャンネル作成者が設定します。
- 報告メカニズム: チャンネルの「更新間隔」に基づき、GPS 座標を取得して暗号化送信します。
- 鮮度保護: GPS が古い場合(屋内で測位できない場合など)、誤った座標送信を防ぐため報告を一時停止します。
- プライバシー: 位置情報は参加・同期を有効化した戦術チャンネルにのみ送信されます。メンバーはいつでもチャンネルを退出できます。
4.3 メンバー追跡
- 地図上にはチャンネルメンバーの位置が円形アイコンで表示されます。
- 略号: 円内の文字や数字はメンバー識別子を示します。
- 色分け: システムが赤、紫、緑、青などの色を自動割り当てします。
- 詳細情報: メンバーアイコンをタップすると、ニックネーム、所属チャンネル、最終更新時刻が表示されます。
4.4 戦術オブジェクト (Map Objects) 管理
A. オブジェクトの作成
- 地図上でオブジェクトを配置したい場所を長押しします。正確に指定するため、先に拡大してから操作してください。
- システムが「地図オブジェクト作成」ダイアログを表示します。以下の項目を入力します:
- 配信チャンネル: 同期するチャンネルを選択(複数選択可)。
- 名称: 物件の略称(例:CP-1, Target-A)。
- 属性: 簡単なメモ(例:資源、食料、飲料水、テント、キャンプ、火)。
- 説明: 詳細な情報。
- アイコン: グリッドから代表的な記号を選択(例:人員、医療、危険、集合地点)。
- 「作成」をタップすると、オブジェクトがメッシュネットワークに配信されます。
B. 表示と編集
- 地図上の既存オブジェクトのアイコンをタップします。
- 情報ウィンドウに、名称、座標、属性、説明、現在の有効チャンネル(Alive Channels)が表示されます。
- 編集: 「編集」をタップして名称や説明を修正、または追加チャンネルに同期できます。
- 削除: 「削除」をタップし、削除指示を送るチャンネルを選択します。
- システムは選択したチャンネルに「削除操作(Op: Delete)」を送信し、メンバーの地図からマーカーを削除します。
5. トラブルシューティングと注意事項
地図が空白/グリッド表示
- サイドバーで正しい .map ファイルが選択されているか確認します。
- 該当エリアのオフライン地図データをダウンロード済みか確認します。
位置が更新されない
- Android の位置情報権限が NTsocial に「常に許可」または「アプリ使用中のみ許可」になっているか確認します。
- 省電力モードが有効だとバックグラウンド位置報告が停止する可能性があります。バッテリー最適化の除外リストに NTsocial を追加してください。
オブジェクトの同期遅延
- ATaK プロトコルはメッシュネットワーク通信に依存するため、ノードが少ない場合や干渉がある環境では同期遅延が発生します。
- オブジェクトが「削除済み」と表示されているのにアイコンが残る場合は、更新またはアプリの再起動を試してください。
ファイル互換性
- 地図ファイルは Mapsforge 互換形式のみサポートします(OpenAndroMaps 推奨)。
- ZIP インポート時に macOS のシステムファイル(例:__MACOSX)が含まれていないか確認し、インポート失敗を防いでください。